緑の窓口 ~樹木トラブル解決します~

評価は★★★(満点は★★★★★) 樹木医の仕事の取り上げ方の上手さや柊さんと母との関係など読みどころはあるんだけど、下村作品と考えると軽さが目立つ。作者にはもっと深い作品を期待したい。緑の窓口 ~樹木トラブル解決します~作者: 下村敦史出版社/メーカー: …

代償 (角川文庫)

評価は★★★★(満点は★★★★★) 行きつけの書店で一押しの作品。 誰に代償がもたらされるか気になる。達也が「悪」なんだけど、彼だけが代償の対象にならない展開なのでドキドキしながら読んだ。 もうちょっとカタルシスが欲しかったけど、評判通りの作品だった…

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか (ヤマケイ文庫)

評価は★★★★(満点は★★★★★) この遭難事故のことはもちろん知っていた。当時は自分と無縁のことだった。しかし、トレランや登山にどっぷり浸っている今読むと身につまされることが沢山書かれている。体力面に自信はあるけど、もっと山の知識を身につけたいと…

ときどき旅に出るカフェ

評価は★★★★(満点は★★★★★) 円の家族を巡る謎がメインテーマと思ったのに、円自身が最大の謎だったのかと、最後を読んで驚きと共にクスリときた。パ・マルのように緩いシリーズとして続けて欲しい。それに、実在するならパ・マルよりカフェ・ルーズの方が敷…

クリスマス・プレゼント (文春文庫)

評価は★★★★(満点は★★★★★) 初読み作家の短編集。並はあるけどコンスタントに面白かった。著者の本質は長編にあるらしい。ジェフリー ディーヴァーをこれから読めると考えると、宝の山が残っている気分だ。クリスマス・プレゼント (文春文庫)作者: ジェフリ…

スマイリング! 岩熊自転車 関口俊太

評価は★★★(満点は★★★★★) まるで映画や2時間ドラマを観ているかのようにサクサク読める。俊太がこれからロードレースに関わっていく様が見えるような終わり方が好き。スマイリング! 岩熊自転車 関口俊太作者: 土橋章宏出版社/メーカー: 中央公論新社発売日:…

クランクイン

評価は★★★☆(満点は★★★★★) 映画好きな作者のお遊び小説だと思っていた。途中で自分の作品を褒めてたりしたし。が、ラストにびっくり。クランクイン作者: 相場英雄出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2016/11/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含む…

巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る (ブルーバックス)

評価は★★★(満点は★★★★★) ニュートン力学からブラックホールが導けるんだ、知らなかった。巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る (ブルーバックス)作者: 本間希樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/04/19メディア: 新書この商品を含むブ…

「天皇機関説」事件 (集英社新書)

評価は★★★☆(満点は★★★★★) 天皇機関説事件の入門書としては最適。事件そのものだけではなく、自由主義や個人主義も否定される風潮になり、敗戦まで大きな影響を与えたという主張は頷ける。できれば、天皇機関説を排撃した人たちが戦後どのような述懐したか…

か「」く「」し「」ご「」と「

評価は★★★(満点は★★★★★) タイトルのカギカッコ(「)はいかにも作品の中に仕掛けがありますよと強調しているようで、あざとく感じていた。読み進めると、カギカッコに登場人物の心情を表す符号がピタッと当てはまり、この作者は相変わらず上手いなと思った…

Aではない君と (講談社文庫)

評価は★★★★☆(満点は★★★★★) 解説に、連載時は第二章で完結し、単行本になるときに第三章を書き足したとある。第二章は吉永と藤井の感情を抑えた会話が不確実だけどよい未来を予感させる静かな終わり方だった。一転して、第三章は激情が渦巻き、そして将来も…

ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン

評価は★★★(満点は★★★★★) 今回は番外編。ずっと待っていた秋実さんの話だったんで、楽しく読めた。正直、本編の方は登場人物が多くて、落ち着かないからねぇ〜 エピローグの秋実と藍子が二人だけのシーンが好き。いつも賑やかな堀田家なんで、この静かな雰…

囲碁殺人事件 (講談社文庫)

評価は★★☆(満点は★★★★★) ミステリーとして評判が高い「涙香迷宮」を図書館で予約。シリーズを最初から読もうと思って本書を借りた。結果はちょっと期待外れ。全体的に感じる古さが気になって物語に没頭できなかった。でも、このシリーズはもうちょっと追い…

出会いなおし

評価は★★★★(満点は★★★★★) 森絵都の短編は本当にいい。「ママ」はちょっと好みから外れるけど、他は面白く読めた。中でも、二人の関係が不思議な「出会いなおし」とカウボーイの嫁が印象的だった「むすびめ」が好き。今回は図書館で借りたけど、文庫になっ…

昭和史講義3: リーダーを通して見る戦争への道 (ちくま新書 1266)

評価は★★★☆(満点は★★★★★) 専門家が語る昭和戦前史シリーズの第3巻。今回は15人の政治家にスポットを当てている。次は軍人を扱った本を出して欲しいな。昭和史講義3: リーダーを通して見る戦争への道 (ちくま新書 1266)作者: 筒井清忠出版社/メーカー: 筑摩…

イノセント・デイズ (新潮文庫)

評価は★★★★☆(満点は★★★★★) 「事件前夜」で語られる幸乃の人生の歩みが切なすぎる。「判決以後」で事件の真相が明らかになり、ドラマティックな展開になると思っていたのに・・・幸乃は運命を受け入れることで心の安寧を得たのだろうけど、残された慎一たち…

とんがり帽子のアトリエ(2) (モーニング KC)

評価は★★★★(満点は★★★★★) 1巻ほどの新鮮さは失われたけど、物語も、そして何より絵をこの巻も満喫した。 ココの眼前に魔警団が登場、早く続きが読みたい。とんがり帽子のアトリエ(2) (モーニング KC)作者: 白浜鴎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/08/2…

漁師の愛人 (文春文庫)

評価は★★★☆(満点は★★★★★) 良質の短編集。 舞台も登場人物も異なるのに、そこはかとなく似たような雰囲気が漂う。解説を読んで気がついたけど、3/11が根底にあるんだ。漁師の愛人 (文春文庫)作者: 森絵都出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/07/08メディ…

最後の証人 (宝島社文庫)

評価は★★★★☆(満点は★★★★★) 被告人が判明して驚き、そして事件の真相が分かり二度目の驚き。最後まで目が離せなかった。 また、特に敵役であるはずの真生の内面まで深く描かれるなど、登場人物達も魅力的だ。 続編も早く読みたい。最後の証人 (宝島社文庫)…

吾輩も猫である (新潮文庫)

評価は★★☆(満点は★★★★★) 「吾輩は猫である」へのオマージュ作品を集めたアンソロジー。猫は女性が飼う方がしっくりくると思わせる作品が多い。吾輩も猫である (新潮文庫)作者: 赤川次郎,新井素子,石田衣良,荻原浩,恩田陸,原田マハ,村山由佳,山内マリコ出版…

銀の匙 Silver Spoon 14 (少年サンデーコミックス)

評価は★★★(満点は★★★★★) 御影と八軒がようやく収まるところに収まったって感じ。 面白いんだけど、1年生の頃の濃密さがなくなったのが惜しまれる。銀の匙 Silver Spoon 14 (少年サンデーコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/08/18…

ブルーマーダー (光文社文庫)

評価は★★★☆(満点は★★★★★) 誉田作品のファンだけど、やっぱり姫川玲子シリーズが一番好き。今作もブルーマーダーを巡る物語が作品全体をノワール的雰囲気で覆っている。その合間に入る、常連登場人物達のサイドストリーがコミカルでいいアクセントになって…

大本営発表の真相史 - 元報道部員の証言 (中公文庫)

評価は★★☆(満点は★★★★★) 太平洋戦争中の大本営発表がかなり収録されており、資料として価値があると思う。評価が低いのはぼくが期待した内容と違ったから。大本営発表の真相史 - 元報道部員の証言 (中公文庫)作者: 冨永謙吾出版社/メーカー: 中央公論新社…

東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社文庫)

評価は★★★☆(満点は★★★★★) 十二国記は間隔を開けて読んでるから、設定や人物の細かいところは忘れている。なのに、すっとこの世界に入っていけるところが、このシリーズの魅力の一つだ。 本作では、尚隆と斡由の対比が一つのポイントだけど、尚隆の大ざっぱ…

空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫)

評価は★★★(満点は★★★★★) 空井と稲ぴょんのべた甘感がもっと欲しいような気がしたけど、ストーリーを楽しむにはこの程度で十分かも。鷺坂広報室長のモデルとなった空将補が解説を書いているのにびっくり。空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫)作者: 有川浩出版社/メー…

リバース

評価は★★★★(満点は★★★★★) 責任はあるにしてもone of themと考えていた深瀬にとって、この真相は生涯消えない悔恨として残る。『告白』と同様に作者らしいイヤミス感たっぷりの読後感だけど、深瀬の方が感情移入しやすい分後に引く感じが大きい。リバース作…

あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫)

評価は★★★☆(満点は★★★★★) 智蔵と幸が結ばれるのは最後の方と思っていたんだけど、これが出発点なんだね。失踪した惣次もいつか五鈴屋に絡んでくるような気がするし。 物語は巻末で急激に動き出したんで、続巻が待ち遠しい。あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇…

警察手帳 (新潮新書)

評価は★★☆(満点は★★★★★) 元キャリア警察官の視点で「警察」を紹介している。警察小説や刑事ドラマで自然に使われていることでも、警察内部では使われていない言葉があるなど、参考になる点はあった。 文章がリズム良く読めない点が気になった。小説も書い…

日本人の9割が間違える英語表現100 (ちくま新書1230)

評価は★★☆(満点は★★★★★) 英語の感覚を知るためにいい本だったし、再読してこの本に出てきた表現を身につけたいと思う。ただ、楽しむための読書ではなかった。日本人の9割が間違える英語表現100 (ちくま新書1230)作者: キャサリン・A.クラフト,Kathryn A. C…

書店ガール 6 遅れて来た客 (PHP文芸文庫)

評価は★★★(満点は★★★★★) 取手編が完結した。引き続き彩加を主人公とする沼津編になるのかな。それとも、新しい書店ガールが登場すんだろうか。書店ガール 6 遅れて来た客 (PHP文芸文庫)作者: 碧野圭出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2017/07/11メディア:…