宮大工棟梁・西岡常一 「口伝」の重み

この本は、日経新聞に連載された西岡さんの「私の履歴書」をベースとしている。私の履歴書には、会社の創立者に当たる経営者が取り上げれることが多い中、西岡さんのような職人・棟梁として生きてきた人の話は新鮮で魅力的だったんだろうな。
きっと、この本を読んだら技術者(=職人)はこうじゃなきゃダメだと言い出すオヤジたちもいるはずだ。しかし、西岡さんの生き方は、彼が取り組んできた宮大工の世界かつ生きてきた時代だから成り立つ話だ。今の時代の技術者全般に当てはめるのは無理だ。
たとえ、西岡さんの生き方が正しいとしても、それはどんな仕事でもそのように取り組まなきゃいけないということになる。この本を読んで感動したオヤジたちは他人にその生き方を強制する前に自分が見習って欲しい。
と、ここまでは、技術者にだけストイックさを求める風潮に対する批判です。


ぼくは、西岡さんが飛鳥時代奈良時代のお寺を再現するプロセスの方に興味をもってこの本を読んだ。その点では、ちょっと物足りなさを感じた。もう少し知りたいけど、他の本を読む時間がないんだよな〜。


来年の春に、京都シティハーフマラソンに参加する予定なので、時間があれば西岡さんが携わった建築物を一つぐらい見てきたいな。

宮大工棟梁・西岡常一 「口伝」の重み

宮大工棟梁・西岡常一 「口伝」の重み