闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶 (講談社+α新書)

自衛隊指揮官 (講談社+α文庫)に続いて自衛隊関連の本を読んだ。自衛隊指揮官 (講談社+α文庫)はタイトル通り指揮官の動きに焦点を当てているが、闘えない軍隊 肥大化する自衛隊の苦悶 (講談社+α新書)の方はイラク派遣問題を中心としながら自衛隊全般を扱っている。


この本を読んで一番気になったのは、現代日本においてシビリアン・コントロールが十分に機能していないことかな。
当たり前だけど、軍令が暴走することが一番の心配時だ。もちろん、現時点でクーデターなんかは起こるはずはないけど、本書で触れているように海外派遣の現場では派遣部隊の裁量に任されている部分が多いことが問題になる可能性があるんじゃないかな。
一方、シビリアン・コントロールが不在であるとまじめな自衛官の活動にも制約が及んでしまう。どうしてかと言うと現在の自衛隊、特に制服組には様々な制約が課されており、政府や背広組が決定しないと活動できない仕組みになっているからだ。
自衛隊の強化を叫ぶ政治家は多いが、彼らも自衛隊の活動に対して責任を取ることはしないんだろうな。