昭和陸軍の研究 上 (朝日文庫)

保阪正康の作品らしく、インタビューや一次資料をふんだんに盛り込んでいるのがよい。彼はこの時代の関係者に数多くのインタビューをして、貴重な証言を得ているんだよな。


この作品では、ノモンハンニューギニアインパールなどの激戦に参加した人たちの手記なんかを読むと身につまされるものがあった。確かにこれらを読むと自分たちの体験や仲間の死を無駄にしたくない気持ちは分かる。
もちろん彼らの苦労には敬意を払うんだけど、でもね、やっぱり彼らが従事した戦いは意味のないものだったと思うんだ。だから、彼らにそのような作戦を強いたものは何かを知ることが大切なんじゃないかな。
それがこの本の主題になっている日本陸軍なんだよね。日本陸軍のすべてを否定する訳じゃないけど、あの組織が日本をリードして日本を敗戦に導いたことは間違いないよね。


このテーマに関しては個人的に強い関心があるので、今後もいろいろな本を読んでいくんだろうな。将来時間ができたら、自分で何かを書きたいけど、どうなるかな。

昭和陸軍の研究  上 (朝日文庫)

昭和陸軍の研究 上 (朝日文庫)

昭和陸軍の研究  下 (朝日文庫)

昭和陸軍の研究 下 (朝日文庫)