少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

告白に続く、湊かなえの第二作目。


少女の遺書とそれを読む親友である少女のモノローグというプロローグから始まる。


本編は由紀と敦子の二人の女子高生が主人公である。
中学生のとき敦子に起きた出来事が原因で二人の間にわだかまりが生じる。
高校生になって二人が親しくなった転校生の話を聞き、二人とも死を身近に体験しようと由紀は子供の療養所で敦子は老人介護施設でボランティアを始める。
そこにある事件が起きる。その事件も著者らしいダークなものだけど。
その事件をきっかけに二人の間のわだかまりが氷解し、心の殻から抜け出した。


こう書くとさわやか青春小説に見えるかもしれない。もちろんそれだけじゃ終わらないし、第一プロローグはどうなったのとなる。

この作品には○果○○(ネタバレになるから隠す)という4文字熟語が関係するサイドストーリーがいくつも挿入されている。
これらのエピソードからちゃんとプロローグからエピローグが導かれていた。
というか、ぼくがメインストーリーと思っていたものはこの作品の主題じゃなく、エピソードをつなぐ役割を果たしていたんだ。
で、結末はやっぱりダーク(^_^;


告白に比べると、この作品の方が構成もしっかりしているし、作品としての完成度は高いと思う。ただ、その分、告白ほどのインパクトはなかった。
でも、やっぱり面白かったんで、3作目も楽しみ。実はもう購入済みだったりして・・・

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)