その峰の彼方 (文春文庫)

評価は★★★★(満点は★★★★★)
前半はレスキューチームによる捜索、後半は津田によるカシンリッジ登攀と、デナリを舞台にした山岳物語を1つの作品で2回味わえる。津田の救出までの展開が早すぎると思ったら、そういう仕掛けがあったんだ。
ラストの津田の覚醒は、奇跡なのか、回復への予兆なのか、思いを巡らせる余韻を残した終わり方が好き。
ただ、インディアン文化やアラスカの観光開発など、様々なテーマを盛り込んでおり、ピュアな山岳小説としての魅力は少し落ちてしまったように感じる。

その峰の彼方 (文春文庫)

その峰の彼方 (文春文庫)