イラク戦争従軍記

イラク戦争で米軍に従軍した朝日新聞記者の従軍日記だ。内容は、著者が感じたことを時系列に書いており、ルポルタージュと呼ぶほどの深みは感じなかった。本多勝一*1みたいに文章に重みが欲しいなと考えながら読み進めていたんだけど、内容が陳腐かしないように出版することを最優先にすると書いてあった。つまり、ぼくがこの本を読むのが遅すぎたわけだ。


この本を読んで改めて米軍の懐の深さを見せつけられた。だって、日本から従軍記者を選ぶのに朝日が2人で読売が1人なのに産経が0なんだもんな。イラク戦争の朝日の立場を知らないはずはないのに、このような選択をするあたり広報戦略の上手さを感じる。


それから、インターネットで情報を集めるだけの国際ジャーナリストに対する批判が書いてあったけど、それってこの人のことだよね。著者が言うように落合信彦の方がましとは思わないけど、現場に行かずにネットの情報だけで記事を書くんじゃジャーナリストとは呼べないかもね。
そう思って、彼のWWWページを見てみたらフリーの国際情勢解説者って名乗っているんだ。

イラク戦争従軍記

イラク戦争従軍記

*1:最近の本多はもうろくしていると思うし、彼の書く内容にも賛否はあると思うけど、初期のルポルタージュ物には文章の迫力を感じる。