村上春樹、初期三部作そしてダンス・ダンス・ダンス
ブログをリニューアルするにあたり、ぼくの読書ライフに大きな影響を与えた村上春樹の初期作品を読み返してみた。
3部作の方は、これまでに何度も読んでいる。特に。風の歌とピンボールはボリュームが少ないこともあって、10回以上は読んでいるはず。
それでも、まだ飽きることなく読むことができ、しかも新しい発見があることに驚く。
一方、ダンス・ダンス・ダンスはなんと20年ぶりの再読になる。
最初に読んだときに、ぼくが持っていた3部作の世界観とあまりにかけ離れていると感じてしまった。そのため、ダンスはぼくの中で封印の書みたいな扱いになってしまった。
しかし、いつもまでも避けて通ることは出来ないんで、この機会に読み直すことにした。
で、感想はと言うと、小説としての完成度の高さに驚かされた。
完成度だけなら3部作より遙かに上だと思う。
内容もぐいぐい引き込まれるものがあり、数日で一気に読んでしまった。
さて、ダンスと3部作の関係だけど、ストーリー的には確かに3部作の続きになる作品だと思う。
「羊」で全てを失った主人公が再生するんで、「ダンス」まで間を置かずに読むと救いが得られるかもしれない。
でも、ぼくにとっては「羊」での喪失感が3部作を構成する大きな要素になっている。
ダンスを読むとその余韻が失われてしまうようで、違和感を感じる。
そう考えると、やっぱり「ダンス」は3部作とは別の作品という認識には変わりない。
ただ、作品自体の評価を考えてみると、「ダンス」は傑作になるね。
3部作との関係にこだわり過ぎてしまい。この作品自体の評価を見ていなかったのは、もったいないことをしたと思う。
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